ペーターズギャラリーコンペ2003 受賞者のお知らせ

この度はペーターズギャラリーコンペ2003にご応募頂きありがとうございました。
小さなギャラリーのコンペながら、たくさんのご応募がありスタッフ一同大変うれしく思っております。
審査結果をご報告させていただきます。

・応募人数…386名 (応募総点数1055点)
・受賞者…4名(各審査員がひとりを選びました)
 荒井良二賞…志水 洋(東京)
 藤本やすし賞…橋本加奈子(東京)
 金子純子賞…長谷川美智子(神奈川)
 小池アミイゴ賞…宮本澄海(茨城)
 敬称略・順不同

■審査を終えて各審査員の声

荒井良二賞/志水 洋(東京)
やりすぎてるかなー。でもうまいなー。これプラスαなんかほしいな。おもしろいけどね、この一枚だけとてい見るのであれば。不気味でもないし。でも何か足りないなー。見せ方もうまいね。おさまりがよすぎるから、もう少しバランスをくずしたい。うまい人だからこれはこれ、って考えてるのだろうね、今回はこんなふうって。

荒井良二さん総評

人描くのってあらためて難しいんだなって思った。風景の中の人っていうとらえ方をしてる人にとっては、人物だけに焦点をあてると苦労してるなって手にとるゆようにわかった。それだけ人物って難しい。

 
藤本やすし賞/橋本加奈子(東京)
オシャレだねー。墨で流したみたいなかんじとか、ちゃんと計算してやれている、上手な人。空気感がたまらなく好き。イヤー、ニクイ。

藤本やすしさん総評

レベル高いなぁ。何かに似てるとか、誰かに似てるというのが少なくてよかった。みんな自分の世界を持っていて、オシャレ。雑誌などに使えるオシャレな絵をいつも探しているので、来年になると古くなるのかもしれないけど、今の時代の空気を反映しているものを選びたかった。泥臭い絵も少なく、全体的にカジュアルですごくよかった。

 
金子純子賞/長谷川美智子(神奈川)
おしゃれで楽しい。元気でかわいい。生き生きしている。描いている楽しさがあふれでていて、出会えて嬉しかった。

金子純子さん総評

シンプルが大事。自分をどんどん整理して“いちばんの自分”をみつける。マイナスしていくって勇気がいるけど、勇気をもった作品はみる人の心に必ず作者の想いを伝える。それは素敵な出会い。描いている、表現している歓びがストレートに感じられる作品との出会いは幸福で、楽しい時間でした。作品を応募するという勇気にも素晴らしいエネルギーをもらいました。

 
小池アミイゴ賞/宮本澄海(茨城)
うまい!!全体の審査の中でも“オトコのセクシーさ”を描けていたのは宮本さんだけだった。情けない部分なども含めて「あ〜オトコってこんなだよなあ、、、」って教えてくれる。実は彼女のエンピツによる線画の“オトコ達”が好きだったが、今回初めて色の付いたものを沢山見られて『やっぱスゲーや!』って思いつつ、ただただ楽しかった。てか、ちょっと感謝さえしてるぞ。オトコ見る目があるね、それもすごく新鮮な視点じゃないかなぁ。

小池アミイゴさん総評

(最終選考に残ったのが女性の応募者ばかりだったことを振り返り)今ボクが思う“カッコイイ奴”を絵の中に見つけていったら、偶然にも女性の作者ばかりだった。どいつも“男”が選ばない(見ようとしない)セクシーさが出ていて、コンビニの店頭に並ぶグラビアの女の子達(だいたい巨乳)を、鼻で笑っちゃってるような爽快感があった。うん、女の子たち超カッコイイ。しかも一番ガツンって来たのが“女性が描いた性!”。今回選んだ人達、描かれた奴らがどんどん世の中に出て来たら、男はどんどんコンビニに追いやられちゃうな。だって“頬杖ついてカフェでまどろんでる”なんて“女”、女性の応募者は誰も描いてないんだゼ!いつのまにか革命が起こっていたんだな。巻き返せるのか?“男”って概念。


■審査員プロフィール

荒井良二
 (イラストレーター/絵本作家)
1956年生まれ。日本大学芸術学部卒業。絵本「バスにのって」「スースーとネルネル」(偕成社)、「みちくさ劇場」(あかね書房)、「そのつもり」「ぼくのキュートナ」(講談社)、「ぼくがつぼくにちぼくようび」(平凡社)など。
 
藤本やすし
(アートディレクター)
1983年キャップ設立。現在「VOGUE NIPPON」「GQ」「BRUTUS」「casa BRTUS」「olive」「GINZA」「STUDIO VOICE」などの雑誌のアートディレクション&デザイン、アパレル関連企業の広告印刷物デザインや書籍の装丁などを手掛ける。1996年には、ジャンルの枠を越え、若手アーティストの作品を中心にア−ト的なものを発信する空間として原宿にgallery ROCKETをオープン。
 
金子純子
(クリエーター/MOMO cafe著者)
MOMO cafe school、cinema、night(ライブ、トーク&カフェ)とMOMO cafe活動を展開中。その中のひとつ、スクールはTRC学院の表参道教室で“楽しいをカタチにする”をコンセプトに'02秋開講。モノづくりのなかで、表現する自分を探っていく冒険旅行のようなスクール。エキサイティングな日々です。
 
小池アミイゴ
(イラストレーター)
1962年、群馬県生まれ。東洋大学文学部中退。セツモードセミナー卒業。在学中からフリーのイラストレーターとして活動。バンドをいくつか掛け持ちし、クラブDJとしてイベントをいくつか主催。昨年はペーターズギャラリーと共同企画で『サッカーバカ展』を開催。セツモードセミナー講師、最近TISに入った。
 

2003年現在

 
ペーターズギャラリー
コンペについて